建て替えや相続で出てきた骨董品は、どうすればよいか ― 捨てる前に知っておきたい、仕分けと相談の順番
家の建て替えが決まった、親の家を相続することになった――。そうした折に、床の間の掛軸や納戸の桐箱、蔵の奥の焼物など、ふだんは目にしない品々がまとめて出てくることがあります。当店のある世田谷区成城のまわりでも、長く住み継がれたお宅の建て替えやご相続にともなうご相談を、とりわけ多くいただきます。本稿では、そうした場面で骨董品が出てきたとき、何から手をつければよいのかを、古美術商の立場から順を追ってご案内いたします。
結論から申し上げれば、骨董品は「捨てない・洗わない・箱を離さない」まま、解体や引き渡しの日程に余裕のあるうちに、まとめて一度に見てもらうのが最も確かな進め方です。売るもの、残すもの、処分してよいものの見分けは、全体をそのまま拝見してこそ正しくつけられます。
この記事でわかること
- 建て替え・相続のとき、骨董品で困りやすいこと
- 見つけたら、最初にしてはいけない三つのこと
- 骨董品が眠っていやすい場所
- 「売る・残す・処分する」の仕分け方
- 「鑑定」と「査定」の違い
- 解体の日程から逆算した、相談の進め方
Why it matters建て替えや相続のときに、骨董品で困りやすい理由
建て替えや相続のときに骨董品で困りやすいのは、多くの場合、時間が限られているのに、何があるのか分からないからです。建て替えであれば解体の日、売却や賃貸であれば引き渡しの日が先に決まり、それまでに家の中を空にしなければなりません。相続の場合も、相続税の申告が必要なときは、亡くなったことを知った日の翌日から10か月という期限があります。
一方で、骨董品の多くは桐箱に納められ、押入れや納戸の奥にしまわれています。集めた方ご本人でなければ、どれが大切な品なのかは分かりません。ご家族だけで整理しようとすると、時間に追われるなかで「よく分からないもの」として、まとめて処分の側に回してしまうことが起こりがちです。処分の山に入れかけていた箱の中から、作家の作が出てくることもございます。
Three don'ts見つけたら、まずしてはいけない三つのこと
骨董品らしきものが出てきたら、次の三つだけは避けてください。どれも、よかれと思ってなさったことで、かえって評価を下げてしまう例です。
- 捨てない
- 古びて見える箱や、汚れた器、丸めたままの掛軸も、価値が分かるまでは処分しないでください。空き箱にも、中身の素性を示す箱書が残っていることがあります。
- 洗わない・磨かない
- 焼物を洗剤で洗う、金属を磨く、掛軸のしみを拭くといったお手入れは、かえって傷めてしまいます。汚れたままの、いまの状態で拝見するのがいちばんです。
- 箱と中身を離さない
- 共箱(作家が署名した箱)は、作者や時代を示す大切な証です。中身と箱が入れ違っていても構いませんので、箱は箱のまま一緒に残しておいてください。
あわせて、ご家族のなかで形見として残したい品がないか、早めに声をかけ合っておかれることをおすすめします。相続人が複数いらっしゃる場合は、売却の前にご家族のあいだで話し合っておかれると、あとの行き違いを防げます。
Where they hide骨董品が眠っていやすい場所
骨董品は、ふだん使わない場所にしまわれていることがほとんどです。整理を始める前に、次のような場所をひととおり確かめておくと、見落としが減ります。
- 床の間・和室
- 掛軸、置物、花入、香炉。床の間の脇の地袋や天袋に、掛け替え用の掛軸がまとめて入っていることもあります。
- 押入れ・納戸
- 桐箱に入った茶道具・焼物・漆器、屏風、額装の絵画。奥に積まれた箱ほど、長く開けられていないことが多いものです。
- 蔵・物置
- 古い陶磁器や漆器の揃い、仏像・仏具、鉄瓶・金工品、古い書画。
- 書斎・座敷
- 硯・墨・筆・印材などの書道具、中国の書画や文房具。
- 仏間
- 仏像・仏具、仏画。仏壇から外された古い仏具が、別の箱にしまわれていることもあります。
How to sort「売る・残す・処分する」の三つに分けて考える
出てきた品は、最終的に「売る(お譲りいただく)」「残す」「処分する」の三つに分かれます。大切なのは、この線引きを、価値が分かる前にご自身で決めてしまわないことです。
- 売る
- 作家の手になる品、時代のある品、状態のよい品。拝見したうえで、作品の価値に見合ったお値段をご提示いたします。
- 残す
- 形見として手元に置きたい品、ご家族の思い出のある品。傷んだ掛軸は、表具を仕立て直して残すこともできます。
- 処分する
- 量産された日用品や、傷みが大きく値のつかない品。こちらも、拝見したうえで率直にお伝えいたします。
率直に申し上げれば、古いものがすべて高く売れるわけではありません。お稽古用に量産された道具や、揃いの欠けた器、土産物の置物などは、単独では値がつきにくいこともございます。それでも、作家物や由緒のある品と一緒に拝見することで、全体としてご提案できる場合があります。どの品がどこに入るかは、まとめて拝見してから決めるのが確かです。まとめてのご整理は、骨董品の買取のページでもご案内しております。
Appraisal「鑑定」と「査定」は、どう違うのか
ご相談のなかで、「鑑定してほしい」「査定してほしい」という二つの言い方をよくお聞きします。似た言葉ですが、意味は少し異なります。
- 鑑定
- その品が本物かどうか、誰の作で、いつの時代のものかを見極めること。作家によっては、遺族や専門の鑑定機関が鑑定書を発行している場合もあります。
- 査定
- 鑑定の見立てをふまえて、「いま売るといくらになるか」という買取の金額を見積もること。市場での需要や状態、付属品の有無も加味します。
手放すかどうかを考えるうえで知りたいのは、多くの場合「本物かどうか」と「いくらになるか」の両方です。当店では、作家・時代・真贋を見極めたうえで、査定額をご提示いたします。鑑定書のない品でも、作行きや落款、箱書から拝見いたしますので、そのままご相談ください。
Timeline解体・引き渡しの日程から逆算して相談する
建て替えや相続の整理では、日程から逆算して動くことが何より大切です。おおよその目安は、次のとおりです。
- 1か月以上前
- 家の中をひととおり見て回り、骨董品らしきものがある場所を確かめる。形見として残したい品をご家族で話し合う。
- 3〜4週間前
- 古美術商に連絡し、出張査定の日を決める。点数が多い場合は、写真を何枚かお送りいただくと、当日の段取りがつけやすくなります。
- 出張査定の日
- 家の中の品を、その場で一点ずつ拝見し、お買取りできる品・処分してよい品・残したほうがよい品をお伝えします。
- そのあと
- お譲りいただく品をお預かりしたあと、残りの品を片づけ業者や解体業者に任せる。
順番を逆にして、先に片づけ業者に家の中を空にしてもらうと、骨董品も一緒に運び出されてしまうことがあります。片づけや解体の前に、まず一度、中身を見せていただくのが安心です。日程が迫っている場合も、お電話でご事情をお聞かせください。
Where to consult相談先は、ジャンルを分けずに見られる店に
一軒のお宅から出てくる骨董品は、掛軸、茶道具、焼物、漆器、仏像、書道具と、ジャンルがさまざまです。分野ごとに別の店へ持ち込めば手間がかかり、店によって得意・不得意があるため、見落としも生まれやすくなります。相談先を選ぶときは、一度の出張で、ジャンルを分けずに同じ目で見られるかどうかを確かめてください。
古美術もりたは、1986年の創業以来、近代日本画・掛軸を中心に、茶道具・書道具・仏教美術・中国美術など古美術全般を扱ってまいりました。美術館への収蔵・展示協力や、海外のオークションハウスとの取引も重ねております。世田谷区成城に店を構え、世田谷区での骨董品のお買取りをはじめ、東京都・神奈川県を中心にご自宅へお伺いしております。
無理にお勧めすることはありません。値がつきにくい品も含めて、拝見したうえで率直にお伝えいたします。建て替えやご相続で、どこから手をつけてよいか分からないときこそ、まずは骨董品の買取についてご相談ください。
建て替え・相続にともなう骨董品のご相談
床の間・押入れ・納戸・蔵に残された品を、掛軸・茶道具・焼物・仏像・書道具まで含めて、まとめて拝見いたします。何があるか分からなくても、解体の日が迫っていても構いません。ご自宅へお伺いし、一点ずつ丁寧に拝見いたします。出張費・お見積り・ご相談は無料、秘密厳守で承ります。
FAQよくある質問
家の中に何があるのか分からない状態でも、見てもらえますか?
骨董品の「鑑定」と「査定」は、どう違うのですか?
解体や引き渡しの日が迫っています。どのくらい前に相談すればよいですか?
値段がつかないものも、引き取ってもらえますか?
形見として残したい品があります。一部だけ売ることはできますか?
出張でまとめて見てもらえますか?どの地域まで来てもらえますか?
About / Operator運営者・鑑定者情報
骨董品の整理は、ジャンルを問わず見極められる確かな目が要です。古美術もりたの概要と、取引に関わる許可・登録をご案内いたします。
小田急線「成城学園前駅」より徒歩8分(ご来店は完全予約制)
※ お見積り・ご相談はすべて無料、秘密厳守でお伺いいたします。許可・登録の詳細はご利用案内をご覧ください。
骨董品の買取・出張査定エリア
掛軸・茶道具・焼物から仏像・書道具までの買取は骨董品の買取(全国対応)をご覧ください。下記の地域は出張査定でお伺いしております。
※ 相続税の申告期限は、国税庁「相続税の申告と納税」による一般的な定めです。申告の要否や手続きについては、税理士などの専門家にご確認ください。
※ 骨董品の価値は、作家・時代・状態・付属品によって異なります。本記事は一般的なご案内であり、個別の品については拝見のうえでご提案いたします。