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Column · Munakata Shiko
全国 出張買取

棟方志功の買取。板画・倭画・書を全国で
古美術商が査定いたします。

「わだばゴッホになる」——青森の板画家、棟方志功(1903-1975)は、民藝の精神を宿しながら独自の芸術世界を切り拓きました。版画ではなく「板画」と呼び、板そのものの生命を彫り出そうとした棟方の作品を、共箱・鑑定書のないお品もそのまま、古美術商の審美眼で丁寧に拝見いたします。

Who is Munakata Shiko

そもそも、棟方志功とはどのような画家なのでしょうか。

Definition

棟方志功(むなかたしこう、1903–1975)は、青森出身の板画家(はんがか)。ゴッホの《ひまわり》に強い衝撃を受けて画家を志し、柳宗悦・濱田庄司・河井寛次郎・芹沢銈介らの民藝運動と合流。「版画」ではなく「板画」と自称して、板そのものの生命を彫り出そうとしました。1955年サンパウロ・ビエンナーレ最高賞、1956年ヴェネチア・ビエンナーレ国際版画大賞、1970年文化勲章受章。日本の板画を世界に位置づけた、20世紀日本を代表する芸術家です。

棟方志功の早わかり
生没
(青森市)〜 (東京)
代表作
《二菩薩釈迦十大弟子》《大和し美し》《華厳譜》《宇宙頌》
主な受賞
サンパウロ・ビエンナーレ最高賞 /  ヴェネチア・ビエンナーレ国際版画大賞 /  文化勲章
作品ジャンル
板画(版画)・倭画(肉筆着彩の日本画)・書・油絵・陶画皿・襖絵
主な収蔵
青森県立美術館(旧・棟方志功記念館の所蔵作品を移管)・日本民藝館(東京駒場)・富山県美術館 ほか
鑑定機関
一般社団法人棟方志功鑑定委員会
思想
「板画」——板の生命(木目・節・板癖)を彫り出す独自の芸術観
民藝との関わり
柳宗悦・濱田庄司・河井寛次郎らと交流、日本民藝館の常連

本ページは、棟方志功の生涯と作品を深く知りたい方に向けた解説コラムであると同時に、棟方作品の売却・買取をお考えの方へのご案内です。
「祖父の遺した板画があるが真贋がわからない」「エディション番号が読めない」「額装が古く外していない」——そうしたお品も、共箱・鑑定書がなくても拝見いたします。まずは現状のまま、古美術もりたへお気軽にご相談ください。全国どこへでも、無料で出張・査定にお伺いいたします。

Chapter 01

板画とは — 版画とのちがい

棟方志功は、自身の版画作品を「板画(はんが)」と呼びました。同じ発音でありながら、「版画」がひろく複製の技術を意味するのに対し、「板画」は板そのものの生命を彫り出すことを目指した、棟方独自の呼称です。棟方は「板が私に彫らせている」という言葉を残しています。彫り手と板とを対等に捉えるその姿勢は、道具と使い手が響き合う民藝の精神とも通じるものでした。

「板画」「板業」「板宇宙」——棟方独自の用語群

棟方は、板画・板業・板宇宙といった独自の言葉を紡ぎ出しました。「板業(はんぎょう)」とは板を彫る営みそのものを、「板宇宙(はんうちゅう)」とは彫られた画面に開ける宇宙的な世界観を指す言葉です。大和し美し・華厳譜・二菩薩釈迦十大弟子——巨大な連作板画のなかで、棟方はこの板宇宙を現前させようとしました。

木口木版と板目木版 — 棟方の主たる技法

木版の技法には、木の断面(木口)に彫る木口木版と、木の側面(板目)に彫る板目木版があります。棟方が主に用いたのは板目木版で、板の木目や節を「景色」として活かします。桜・朴(ほお)・シナ・カツラなどの板が使われました。同じ図像の板画でも一枚ごとに刷りの表情がちがうのは、この板目のもつ個性が現れるためです。

板画(はんが)
棟方が版画を指して独自に用いた語。板の生命を彫り出す思想を含みます。
倭画(やまとが)
棟方が自身の肉筆着彩の日本画に付けた呼称。板画とは別の系譜の作品。
裏彩色(うらざいしき)
板画の裏側から色を付ける棟方独自の技法。表からの色摺と重なって深い色になります。
板業・板宇宙
彫る営みそのもの/彫られた画面に開ける宇宙的な世界観をそれぞれ意味する、棟方の造語。
Chapter 02

棟方志功の生涯と時代背景

青森時代(–)— 鍛冶屋の子として

棟方志功は(明治36年)、青森市の鍛冶屋の子として生まれました。少年時代から絵を描くことが好きで、地元の川村文華堂で職人として働きながら独学で絵を学びました。眼を病んで極度の近視となり、板や紙に顔を極端に近づけて彫る、あの独特の姿勢はこの時期に形づくられたといわれます。

上京と洋画への挑戦(–)— ゴッホとの出会い

に上京し、油絵の帝展入選を目指しました。ある日、洋画雑誌に掲載されたゴッホの《ひまわり》のカラー図版に強い衝撃を受け、「わだばゴッホになる」——青森弁で「俺はゴッホになる」——と決意します。この言葉は棟方の生涯を象徴する宣言となりました。

版画への転向(–)— 平塚運一・恩地孝四郎の影響

油絵での評価がなかなか得られないなか、棟方は平塚運一や恩地孝四郎の影響で版画に転じます。に版画作品を帝展に初入選、以後は板画の道に専心しました。板の生命を活かす棟方独自の思想が芽生えていきます。

民藝運動との合流(–)— 柳宗悦との出会い

、棟方の《大和し美し》を見た柳宗悦が「これは日本の宝だ」と絶賛。柳の紹介で濱田庄司・河井寛次郎・芹沢銈介らの民藝運動と合流します。この出会いは棟方の芸術を思想的に深く支えるものとなりました。棟方の板画は民藝の美学と響き合い、独自の完成度を得ていきます。

富山疎開時代(–)— 華厳譜と二菩薩釈迦十大弟子

戦時中は富山県福光町に疎開。この時期に代表作となる《華厳譜》《二菩薩釈迦十大弟子》を制作しました。仏教的世界観と板画の結びつきが最も強く現れる時期です。福光時代は棟方の板画の一つの頂点として、後年しばしば回顧されました。

国際的評価(–)— サンパウロとヴェネチア

、サンパウロ・ビエンナーレ版画部門最高賞を受賞。翌にはヴェネチア・ビエンナーレ国際版画大賞を獲得しました。日本の版画作家として初めての国際的栄誉であり、棟方の板画は世界に向けて位置づけられました。

晩年と文化勲章()

、文化勲章を受章。、東京で72年の生涯を閉じました。生涯にわたって描き続けた仏教的主題、女人像、日本の詩情——それらは今も棟方志功記念館や日本民藝館で見ることができます。

Chapter 03

板画を構成するもの — 素材

棟方の板画は、素材の選び方から棟方らしさが現れます。板・紙・墨・顔料・道具——それぞれに棟方の目利きが働いています。

板木(はんぎ) — 桜・朴・シナ・カツラ

棟方が用いた板は主に桜(さくら)や朴(ほお)、シナ、カツラなど。桜は堅くて彫りに適し、細かい線が立ちやすい木。朴やシナは柔らかく、大胆な彫りに向いています。棟方はこれらを板目でつかい、木目・節・板の癖を「景色」として意図的に画面に取り込みました。同じ図像でも、板が変われば表情が変わります。

和紙 — 越前和紙・雁皮紙・楮紙

刷りに用いる紙は、越前の雁皮紙(がんぴし)や楮紙(こうぞがみ)など、日本の伝統的な和紙が中心でした。薄手で強靭、墨や顔料が均等に載る紙が選ばれます。裏彩色を行うためには、裏面から色が透けて見える薄手の紙が必要でした。

墨と顔料 — 墨摺と色摺

棟方の板画は基本的に墨摺(すみずり)——黒の輪郭と面——から成りますが、そこに色摺を重ね、さらに裏彩色で深みを与えます。色は青・朱・黄・緑などが多く、赤ちゃんの頬紅を思わせる淡い朱がしばしば用いられました。顔料は伝統的な岩絵具や染料が用いられ、時代や作品によって色調は微妙に異なります。

摺りの道具 — バレン・刷毛・馬毛

板画の刷りにはバレン(円盤状の摺り道具)が用いられ、竹皮の内側に馬毛や糸を巻いたものです。バレンの押し方一つで刷り上がりが変わるため、棟方は自ら摺ることもあり、また熟練の摺り師と共同することもありました。

Chapter 04

棟方作品のジャンル — 種類と用途

棟方志功の作品は板画(版画)だけではありません。倭画・書・油絵・陶画皿・襖絵まで、幅広い分野に及びます。それぞれに棟方らしさが現れる、多彩な作品世界です。

板画(版画)

最も市場に多く伝わる、棟方の代表的な作品群。連作から一枚物まで、様々な形で残されています。額装・軸装・屏風装のものがあります。

倭画(やまとが)

棟方が肉筆着彩の日本画に付けた独自の呼称。板画とは別の系譜で、一点物であるため板画より希少です。絹本や紙本に描かれます。

書

棟方独特の墨書。屏風・軸装・扁額・色紙・短冊など様々な形で残ります。「わだばゴッホになる」など、棟方の言葉そのものが書かれることもあります。

油絵

初期の作品に見られる、極めて希少な分野。ゴッホに触発された時期の油絵は、市場では数少ないお品です。

陶画皿

民藝運動の中で、河井寛次郎・濱田庄司らとの交流の中で制作された陶芸作品。皿の裏に棟方の落款があります。

襖絵・障壁画

寺社・料亭・個人邸などに残る大作。倭画・板画の技法を襖や屏風に応用した、棟方の建築空間への働きかけを示す作品群です。

Chapter 05

板画の技法 — 板取りから裏彩色まで

板取り — 木目を活かす

棟方は、まず板の吟味から始めました。板目の流れ、節の位置、板の癖を見極めて、どこにどの図像を配するかを構想します。この段階で作品の骨格の多くが決まります。木目が画面のリズムを作り、節が意図せぬ景色を生む——棟方はそれを歓迎しました。

一気呵成の彫り — 下絵を細かく作らない

棟方の彫りは、多くの版画家と異なり、細密な下絵を作らないのが特徴です。頭のなかにある構想を、直接板に彫り込んでいく——板を彫るというよりも、板と対話しながら形を引き出していく。この一気呵成の彫りが、棟方の板画に独特の生命感を与えました。目を極端に近づけた彫りの姿は、有名なドキュメンタリーにも記録されています。

裏彩色(うらざいしき) — 独自の彩色技法

棟方の板画の色は、裏彩色という独自の技法で作られます。刷り上がった板画の裏側から色を付けるため、正面から見る色が紙を透過して柔らかく発色します。表からの色摺と、裏彩色の重なり——これによって棟方の板画は、単純な木版画とは一線を画す色の深みを持ちます。

色摺の重ね方

色は一色ずつ、別の色板を使って摺り重ねられます。棟方の色摺は色数を絞り、余白や板目の景色を活かすのが特徴です。淡い朱・青・黄・緑が主に使われ、それらが墨摺の輪郭と響き合います。

印章・落款の位置と読み方

棟方の板画には、通常朱の印章と署名(落款)が入ります。「志功」または「棟方志功」の署名、朱の角印・円印などです。裏面には多くの場合、エディション番号と制作年が鉛筆で記されます。番号は「摺り番号/総摺り数」の形が一般的です。額装のまま、これらの記載を確認するのは難しい場合があります。

Chapter 06

名工たち — 棟方志功と同時代人

棟方志功の板画は、彼一人の力で成立したのではありません。民藝運動を築いた思想家・工芸家たち、そして版画・創作版画運動を牽引した先達たち——彼らとの出会いと交流が、棟方の芸術を深く支えました。

柳宗悦(やなぎ むねよし、1889–1961) 民藝運動の創始者

思想家・宗教哲学者。1926年に「日本民藝美術館設立趣意書」を発表し、生活工芸のなかに美を見出す民藝運動を提唱。1936年に棟方の《大和し美し》を見て「これは日本の宝だ」と絶賛し、棟方の生涯を通じた最大の理解者となりました。柳が創設した日本民藝館(東京・駒場)には、棟方の板画が常設収蔵されています。

濱田庄司(はまだ しょうじ、1894–1978) 陶芸家・民藝運動

益子焼を代表する陶芸家、1955年第一回人間国宝指定。バーナード・リーチとともにイギリスに渡り、日英の陶芸交流の礎を築きました。柳宗悦とともに民藝運動を推進した中心人物であり、棟方志功とも生涯にわたる盟友でした。

河井寛次郎(かわい かんじろう、1890–1966) 陶芸家・民藝運動

京都・五条坂に窯を築いた陶芸家。芸術院会員・人間国宝を辞退したことでも知られる、真の求道者。棟方が陶画皿を制作したのは、河井との交流のなかから生まれたものでした。京都の「河井寛次郎記念館」は、二人の交流の跡を今に伝えます。

芹沢銈介(せりざわ けいすけ、1895–1984) 染色家・民藝運動

型染の重要無形文化財保持者(人間国宝)。柳宗悦の民藝思想に共鳴し、独自の型絵染を確立。棟方の板画と芹沢の型絵染は、大胆な線と余白の使い方で通じるものがあります。静岡市立芹沢銈介美術館・日本民藝館などで作品を見ることができます。

平塚運一(ひらつか うんいち、1895–1997) 版画家・棟方の版画の師

木版画の作家、恩地孝四郎とともに創作版画運動を推進。棟方が版画に転じる際に大きな影響を与えた、実質的な師にあたる人物です。長寿を全うし101歳まで作品を制作しました。棟方志功記念館・日本民藝館・青森県立美術館などで作品を鑑賞できます。

恩地孝四郎(おんち こうしろう、1891–1955) 版画家・創作版画運動

日本の抽象木版画の先駆者。平塚運一とともに創作版画運動を牽引し、棟方に版画の可能性を示しました。抒情的な画風で知られ、詩人でもありました。棟方は恩地の影響を若い時期に強く受けており、その創作に感謝の言葉を残しています。

バーナード・リーチ(Bernard Leach、1887–1979) 陶芸家・民藝の国際的媒介者

イギリス・セント・アイヴスに窯を築いた陶芸家。柳宗悦・濱田庄司との交流を通じて、東洋と西洋の民藝的美意識を橋渡ししました。棟方の板画も、リーチを介して欧米で広く知られるようになった側面があります。

Chapter 07

海外での棟方志功 — サンパウロ、ヴェネチア、そして世界へ

1955年 サンパウロ・ビエンナーレ版画部門最高賞

戦後日本の芸術が世界の舞台へ復帰していく1950年代、棟方の板画は1955年サンパウロ・ビエンナーレで版画部門最高賞を受賞します。日本の版画作家として初めての国際的な栄誉でした。展示された《釈迦十大弟子》を中心とする板画群は、その独自の芸術性で世界の関心を集めました。

1956年 ヴェネチア・ビエンナーレ国際版画大賞

翌1956年、ヴェネチア・ビエンナーレで国際版画大賞(Gran Premio)を獲得。二年連続の国際的栄誉は、棟方の板画が日本の民藝的芸術の粋であるだけでなく、20世紀の世界美術の一翼を担うものであることを示しました。

海外オークション動向

今日、棟方の板画はニューヨーク・ロンドン・パリなどのクリスティーズ・サザビーズで継続的に取引されています。海外での評価は近年さらに高まっており、代表作の連作や状態の良い一枚物は、日本国内以上の落札価格を記録することもあります。

海外美術館のコレクション

棟方の板画は、世界の主要美術館に収蔵されています。ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館、パリのギメ美術館、ボストン美術館、シカゴ美術館など。日本国外に棟方の板画がこれほど多く伝わるのは、彼の国際的評価の証といえます。

Chapter 08

法令・鑑定 — 本物と複製の見分け方

一般社団法人棟方志功鑑定委員会

棟方志功作品の真贋鑑定は、一般社団法人棟方志功鑑定委員会が公式に行っています。鑑定書は所定の申請と実地審査を経て発行されるもので、板画・倭画・書などジャンルごとに鑑定基準があります。ただし、鑑定書は必ずしも全作品に付いているわけではなく、旧蔵の棟方作品には鑑定を経ていないお品も多く含まれます。

鑑定書の見方

鑑定書には、作品の題名・寸法・技法・制作年・エディション(板画の場合)・所見が記載されます。作品と別に保管される「鑑定書」と、作品自体に貼付される「鑑定シール」の両方が発行されるのが一般的です。鑑定書の記載と作品の実測が一致すること、鑑定書のシリアル番号と印章が正しいことなどが本物の鑑定書の判別ポイントです。

贋作・複製画の問題

棟方志功は昭和期の代表作家であるがゆえに、複製の版画・複製の板画が数多く出回っています。主に問題となるのは以下のパターンです。

  • オフセット複製:写真製版によって印刷された複製画。近づいて見ると細かい点の集まりが確認できます。
  • リトグラフ複製:石版画の技法を使った複製。オリジナルの板画とはまったく別のもの。
  • 写真製版:原画を写真で撮って版を作り、印刷したもの。「棟方志功」の署名が印刷されていることも多く注意が必要です。

これらの複製は、額装から外して光にかざすと紙の裏に色が透けていない(=裏彩色がない)ことで判別できることが多いです。板画本物は、板の生命を活かすために裏彩色が施され、紙質・刷りの深さも複製とは異なります。

板画本物のサイン・落款・エディション表記の特徴

棟方の板画本物のサインは、通常鉛筆で「志功」または「棟方志功」と記されます。朱印の位置と種類、エディション番号の書き方(「摺り番号/総摺り数」の形式)、制作年の記載、これらすべてが総合的に真贋の手がかりとなります。摺り師の記録が残るお品もあり、鳩居堂・棟方志功板画館などが出版元となった板画には、その旨が明記されているものがあります。

棟方志功の落款・朱印(サイン)の一例|鉛筆で記された署名と朱印
Signature棟方志功の落款・朱印の一例。板画本物では、鉛筆でしるされた「志功」「棟方志功」の署名、朱印の位置と種類、エディション表記などが、真贋を見極める手がかりとなります。
Chapter 09

収蔵美術館 — 棟方作品はどこで見られるか

棟方志功の作品は、日本国内の主要美術館に幅広く収蔵されています。実物を見ることは、棟方の板画の魅力を最も直接的に体験する方法です。

棟方志功記念館(旧・青森市)

に開館した記念館ですが、に閉館。所蔵作品はすべて青森県立美術館へ移管され、拡張された棟方志功展示スペースで見ることができます。

日本民藝館(東京・目黒区駒場4-3-33)

柳宗悦が創設した民藝運動の中心的美術館。棟方の板画が常設収蔵されており、民藝運動と棟方志功の関係を実感できる場所です。

青森県立美術館

青森県の県立美術館。棟方の代表作を含む主要作品を収蔵。青森ゆかりの芸術家を体系的に紹介する常設展示があります。

富山県美術館

棟方が疎開した福光町のある富山県。福光時代の代表作を中心に、棟方の板画を多数収蔵しています。

鎌倉近代美術館

戦後日本美術の重要な作家を体系的に紹介してきた美術館。棟方志功の板画も継続的に紹介されています。

主要な回顧展

棟方志功没後、青森・東京・国立近代美術館などで大回顧展が繰り返し開催されてきました。近年は生誕120年(2023年)を機に、全国的な再評価の動きが見られます。

Chapter 10

取扱と保存 — 棟方作品を大切に持つには

棟方志功の板画は、和紙に墨と顔料で刷られ、裏彩色が施された繊細なお品です。保存の環境によって、色の状態も紙の状態も大きく変わります。長く大切に持つためのポイントをまとめます。

板画の保存 — 光・湿気・温度

板画の最大の敵は紫外線です。直射日光はもちろん、室内の蛍光灯・LED光にも紫外線が含まれます。長時間の展示は色摺の退色を招きます。飾る際は紫外線カットガラスの額装が推奨されます。

湿気にも注意が必要です。梅雨の高湿は紙にシミ(フォクシング)を生む原因になります。湿度は50%前後を目安に、風通しの良い場所での保管が理想です。極端に乾燥した場所(暖房の直下など)も、紙の反りや割れを招きます。

額装のポイント

棟方の板画を額装する際は、紫外線カットガラスと中性紙のマットを用いることが大切です。安価な酸性紙のマットは、時間とともに紙にダメージを与えます。額装が古く、酸性紙のマットが使われている場合は、状態の良い時期に一度専門家に相談することをお勧めします。

シミ・退色が起きた場合

フォクシング(点状のシミ)、色摺の退色、紙の焼け——これらが起きた場合、ご自宅で洗浄したり修復することはお勧めしません。かえって作品を傷めることが多いためです。専門の紙本修復家に相談するのが安全です。買取査定の際は、状態の良し悪しは価格に反映されますが、お手入れが必要と思われるお品も現状のまま拝見いたします。

保管時の温湿度と保管場所

額装から外して保管する場合は、酸性紙を避けた中性紙のフォルダーに入れ、湿度の管理された場所(桐箱・紙箱に入れて押入れの上段など)に保管します。長期の保管では、時折状態を確認することが望ましく、数年に一度は開けて風を通す(陰干し)ことが推奨されます。

修復家への相談時期

次のような状態が見られた場合は、専門の紙本修復家への相談をお勧めします:目に見えるカビ・虫損の進行、紙の破れや折れが広がりつつある、色摺の剥落、フォクシングの急激な拡大。相談の判断に迷う際は、当店にお問い合わせいただければ、信頼できる紙本修復家をご紹介できます。

Value

棟方志功作品の価値を左右するポイント

棟方作品の評価は、見た目や大きさだけでは決まりません。
古美術商は、次のような点を一つひとつ確かめながら査定いたします。

01
真贋 — 板画本物・複製・オフセット・リトグラフの見極め
02
署名・落款 — 「志功」の墨書・朱印の位置と種類
03
エディション番号 — 摺り番号/総摺り数の記載
04
裏彩色 — 板画本物特有の裏側からの彩色の有無
05
紙質 — 越前和紙・雁皮紙・楮紙などの見極め
06
色摺の状態 — 退色・シミ(フォクシング)の程度
07
代表作か — 《釈迦十大弟子》《華厳譜》等の連作か
08
鑑定書・共箱 — 棟方志功鑑定委員会の書付、共箱、来歴資料
09
額装・保存状態 — 額装の質、紙のヤケ、破れの有無
Our Answer
その棟方志功の真価、古美術商でなければ見抜けません。
Why Morita

棟方志功作品の買取を、古美術もりたへ

絵画・掛軸・民藝作家の作品を数多く見つめてきた審美眼で、板画・倭画・書・陶画皿の真贋と時代を丁重に見極めます。

1
Connoisseurship

棟方作品を見る、確かな目

板画の裏彩色、紙質、落款、エディション番号、共箱の書付——棟方作品の真贋を左右する要素を、一点ずつ細かく確認いたします。同時代の民藝作家(濱田庄司・河井寛次郎・芹沢銈介)作品と合わせての整理もお任せください。

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Nationwide · Free

全国へ無料出張、秘密厳守

東京・成城を拠点に、全国どこへでもお伺いします。出張費・査定料・ご相談料はすべて無料。額装のまま、共箱・鑑定書のないお品も現状のまま拝見します。秘密は固くお守りします。

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Track Record

実績に基づく、適正な評価

美術館への収蔵協力、海外オークションハウス(サザビーズ・クリスティーズ等)との取引を重ねてまいりました。近年高まる棟方作品の海外評価も踏まえ、確かな相場観でお品にふさわしい評価をご提示します。

Flow

棟方志功作品 買取の流れ

お問い合わせから査定・現金お支払いまで。板画は額装のまま、書や陶画皿もそのままでご相談ください。

STEP 01

お問い合わせ

お電話・メール・フォームでご連絡ください。作品の概要とご状況を簡単にお聞きします。

STEP 02

事前査定(任意)

作品全面・落款・エディション番号・共箱書付の写真をお送りいただければ、おおよその金額をお伝えします。

STEP 03

出張・拝見

ご都合に合わせて全国へお伺いし、額装のまま丁重に拝見・査定いたします。ご来店相談も可。

STEP 04

ご成約・お支払い

ご納得のうえご成約。原則その場で現金にてお支払いします(お振込みも可能です)。

Works

取り扱った棟方志功作品の一例

これまでにお譲りいただいた棟方志功作品の一例です。よく似たお品をお持ちでしたら、ぜひご相談ください。

Woodblock Print棟方志功 板画《弘任の柵》
棟方が生涯にわたり描き継いだ女人像の系譜に連なる連作《弘任の柵》の一柵。「板画」を自称した棟方らしく、板そのものの生命を彫り出した線描の張りと、和紙裏から差した色(裏彩色)の柔らかな呼吸が同居する一図です。東京都世田谷区にて
Woodblock Print棟方志功 板画《揚髷の柵》
結い上げた髷(あげまげ)と伏し目の眼差しに、民藝運動と交わった棟方ならではの土の匂いのする気配が漂う女人像。墨版の骨太な彫りと、和紙裏から滲む彩色の温度が響き合い、静かな存在感を立ち上げます。東京都世田谷区にて
Woodblock Print棟方志功 板画
剣を手にした忿怒相の神像を、大胆で力強い墨版の彫りに表した一枚。白と黒の対比が際立ち、画面右には賛、下部に署名と朱印を備えます。群馬県高崎市にて
Woodblock Print棟方志功 板画《三尊の柵》
薬師如来を中尊に、日光・月光菩薩を脇侍とした三尊形式の一柵。金地の額装のなかに、棟方らしい大胆な墨版の彫りと鮮やかな彩色が映えます。青森県弘前市にて
Woodblock Print棟方志功 板画《観音菩薩の柵》
宝冠をいただき、胸元に両手を寄せた観音菩薩を中央に据えた墨一色の一柵。周囲を葉の文様が埋め、太く伸びやかな彫りに棟方らしい祈りの気配が満ちます。右下に朱印を備えます。東京都杉並区にて
Calligraphy棟方志功 書
太い筆致で紙面いっぱいに文字を大きく書き表した一幅。墨の濃淡と勢いのある運筆に、板画にも通じる力強さが漂います。左下に落款と朱印を備えます。静岡県静岡市にて
Customer Voices

お客様の声

棟方志功の作品を手放すという場面で、各地の皆さまよりお寄せいただいたお声をご紹介します。

Aomori

祖父の遺した棟方志功の板画、鑑定書のないままでも見ていただけました。

+

青森出身の祖父が遺した棟方志功の板画がありました。鑑定書は付いておらず、額装も古いまま、正直手放すか迷っておりましたが、遠方まで出張してくださり、額装のまま丁寧に拝見していただきました。裏彩色の状態や紙質、落款のことまで詳しく説明してくださり、納得の上でお売りできました。

青森県のお客様棟方志功 板画(鑑定書なし)
Tokyo · Meguro

父の民藝コレクションの中の棟方作品を、他作家の品と一緒に整理。

+

父の遺品を整理する中で、棟方志功の板画のほか、濱田庄司や河井寛次郎の陶器も出てまいりました。父は日本民藝館の会員でもあり、集めていたコレクションでした。作家ごとの理解が深く、一括して丁寧に見ていただけたのが本当にありがたかったです。

東京都目黒区のお客様棟方志功 板画・民藝陶器
Toyama

富山の実家に伝わる棟方の書と板画を、まとめてご相談。

+

富山県福光町に疎開されていた棟方志功先生と縁があった祖父の代から、書と板画が伝わっておりました。実家じまいのために手放すことになり、複数点あるので、一度に見ていただけるのは助かりました。棟方先生の福光時代のお話まで聞かせていただき、大切なものを託せる方に譲れた気がしています。

富山県のお客様棟方志功 板画・書(福光時代)
Service Area

棟方志功作品の買取/全国の対応エリア

東京・成城を拠点に、全国47都道府県へ出張買取いたします。お住まいの地域のページもご覧ください。
出張費・査定料・ご相談料は、いずれも無料です。

東京

東京都

即日対応
都内 +
首都圏

神奈川・埼玉・千葉

3県+
神奈川県埼玉県千葉県
北関東

北関東

3県+
茨城県栃木県群馬県
甲信越

甲信越・静岡

4県+
静岡県山梨県長野県新潟県
東北

東北地方

6県+
青森県岩手県秋田県山形県宮城県福島県
北陸

北陸地方

3県+
富山県石川県福井県
東海

東海地方

3県+
愛知県岐阜県三重県
関西

近畿(関西)

6府県+
大阪府京都府兵庫県奈良県滋賀県和歌山県
中国

中国地方

5県+
鳥取県島根県岡山県広島県山口県
四国

四国地方

4県+
徳島県香川県愛媛県高知県
九州

九州・沖縄

8県+
福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県
北海道

北海道

全域+
北海道
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棟方志功の板画・倭画・書・陶画皿の買取。出張費・査定料・ご相談料はすべて無料です。秘密厳守、全国へ出張いたします。
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送信後、担当者より折り返しご連絡いたします。査定・出張・ご相談はすべて無料、秘密厳守です。

FAQ

棟方志功作品の買取 よくあるご質問

Q.「板画」と「版画」は何が違うのですか?+
A.棟方志功は、自身の版画作品を『板画(はんが)』と呼びました。『版画』は複製の技術を意味しますが、『板画』は板そのものの生命—木目・節・板の癖—を彫り出す独自の思想です。棟方は『板が私に彫らせている』という言葉を残しており、彫る主体と板とを対等に捉える民藝的な世界観の表れといえます。彼の板画は同じ図像でも一枚一枚に個体差があり、それが板画の本質と考えられています。
Q.棟方志功鑑定委員会の鑑定書がない板画も買取できますか?+
A.はい、鑑定書のないお品も拝見いたします。棟方作品は、一般社団法人棟方志功鑑定委員会が鑑定を行っておりますが、鑑定書は必ずしも全作品に付いているわけではありません。落款・印章・エディション番号、共箱・タトウ・出版社の記録、旧蔵者の由来などから、真贋と時代を見立てさせていただきます。手放しをお考えの前に、まずは現状のまま一度お見せください。
Q.複製画(オフセット複製)でも見ていただけますか?+
A.はい、複製の可能性が高いお品も拝見いたします。オフセット複製・写真製版・リトグラフ複製など、棟方志功の板画には複製が数多く存在します。板画(オリジナル)と複製の見分けは、紙質・刷りの深浅・裏彩色の有無・エディション番号の有無などから判断いたします。ご自身では判断が難しいお品こそ、ご相談ください。複製とわかった場合も、額装や状態によりお値段がつくことがございます。
Q.板画のエディション番号が擦れて読めないのですが査定できますか?+
A.はい、エディション番号が判読できないお品も拝見いたします。棟方の板画は、通常「番号/摺り数」の形で紙の裏や表下部に鉛筆記載されていますが、経年で擦れることがあります。番号が読めなくても、紙質・色摺の深さ・落款・共箱などから真贋を見立てられます。額装から外した状態、紙の全面が見える状態でお見せいただけると、より正確な判断ができます。
Q.倭画(肉筆着彩)は板画と査定基準が違いますか?+
A.倭画は棟方が「大和絵」に因んで自身の肉筆着彩の日本画に付けた呼び名で、板画とはまったく別の系譜の作品です。倭画は一点物であるため板画よりも希少で、上質のものは高く評価されます。板画は連作の中での位置づけや刷り師の記録が重要になるのに対し、倭画は絹本/紙本の別、彩色の状態、共箱の書付が判断の要点になります。
Q.棟方の書や陶画皿も買取していますか?+
A.はい、棟方志功の書・陶画皿も拝見いたします。書は屏風・軸装・扁額・色紙・短冊など様々な形で残されており、独特の墨書は板画とは別の魅力があります。陶画皿は民藝運動関連で河井寛次郎・濱田庄司らと交流した時期のもので、皿の裏に棟方の落款があるものが多く、大変希少です。判断に迷うお品もまずはご相談ください。
Q.額装が破損している板画でも査定できますか?+
A.はい、額装や表具に傷みがあるお品も拝見いたします。棟方の板画は昭和期の額装のまま伝わることが多く、額縁の破損・マット紙の変色・アクリルの傷などがあっても評価はいたします。ご自身で額装から外したり、修復・貼り直しをすることは、かえって作品を傷めることがありますので、現状のまま一度お見せください。
Q.色摺が退色していますが査定できますか?+
A.はい、色摺の退色したお品も拝見いたします。棟方の板画は裏彩色(板画の裏側から色を付ける独自技法)と表からの色摺の重なりで色が成り立っており、光や湿気で色が変わりやすいお品です。退色があっても板画としての価値は失われず、他の要素(構図・落款・エディション・稀少性)から総合的に評価いたします。
Q.共箱・鑑定書・購入時資料はどれが重要ですか?+
A.重要度の目安として、①棟方志功鑑定委員会の鑑定書、②画廊・出版社の証明書、③共箱・タトウ(作者名や作品名の記載があるもの)、④購入時の領収書・カタログ、の順です。ただし、いずれも「あれば評価が伸びる」補助であり、資料がなくても作品自体(画面・落款・裏彩色・紙質)から判断いたします。旧蔵者や入手の経緯を伺えれば、それも大切な手がかりです。
Q.青森県立美術館や日本民藝館への寄贈も検討していますが相談できますか?+
A.はい、ご相談を承ります。青森県立美術館(旧・棟方志功記念館の所蔵作品を移管)や日本民藝館(東京・駒場)などへのご寄贈は、作品の来歴や状態、コレクションとしてのまとまりが重要になります。所蔵作品の内容によっては、まず館へお伺いを立てる方法や、状態・来歴を整理する作業が必要になることもあります。売却か寄贈かの選択も含めて、ご事情に応じてアドバイスさせていただきます。
Q.遺品整理で複数点まとめて出てきた場合の対応は?+
A.棟方志功作品が複数点まとめて出てきた場合は、コレクションとしての由来を伺いながら一括で拝見いたします。旧蔵者の名刺・購入時の資料・他の民藝作家の作品(濱田庄司・河井寛次郎・芹沢銈介など)と一緒に伝わっている場合もあり、それらは棟方作品の真贋・評価の重要な手がかりになります。ご自宅・蔵・別荘など、全国どこへでも出張して拝見いたします。
References

参考文献・出典

日本民藝館
日本民藝館 公式サイト(棟方志功の板画を常設収蔵)
青森県立美術館
青森県立美術館 公式サイト(旧・棟方志功記念館の所蔵作品を移管)

※本コラムの記述は、上記出典および古美術商としての実務経験に基づき作成しています。内容の正確性には努めておりますが、最新情報は各出典・各機関の公式発表をご確認ください。

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運営者・鑑定者情報

棟方志功のような近代作家の査定は、真贋への確かな知識と作家の芸術世界への敬意が要です。
古美術もりたの概要と、買取に関わる許可・登録をご案内いたします。

屋号
古美術もりた(Antique & Fine Art Morita)
代表・鑑定担当
森田
所在地
〒157-0066 東京都世田谷区成城3-4-3
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03-3415-1670 年中無休 9:00–18:00
創業
神奈川県鎌倉市にて創業。現在は東京・世田谷区成城に拠点を構える古美術商です。
取扱分野
棟方志功の板画・倭画・書・陶画皿をはじめ、絵画・掛軸・仏教美術・書画・民藝作家の作品・中国美術など古美術全般。
鑑定・実績
古美術商として長年、絵画・掛軸・民藝作家の作品と向き合ってまいりました。美術館への収蔵協力、海外オークションハウス(サザビーズ・クリスティーズ等)との取引を重ねております。
古物商許可
東京都公安委員会 第303282320966号
特別国際種事業者
登録番号 第00596号

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